手前味噌、自家製味噌に生えるカビを防ぐ方法

手前味噌のカビ対策 発酵
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こんにちは、よーへい(@kometokoji )です。お久しぶりすぎる投稿ですが、元気に生きております。

僕が手前味噌を仕込むようになって早いもので7年ほどが経ちました。昨年からは自宅用の手前味噌を作るだけではなく、本格的に味噌の仕込み会、ワークショップを開催するようにもなりました。

そんな僕が今回、この記事でお伝えしたいことは、

「手前味噌のカビをどう防ぐのか?」

これです。これに尽きます。

手前味噌を仕込んだ方なら必ず体験している(はず)。仕込みから半年ほどで容器のフタを開けてビックリ…「何じゃぁこりゃぁ〜〜!」って。お味噌の表面がカビている…。

僕自身も幾度となくやってきました。フワフワだったり、黒かったり、白かったり。カビ以外にも酸膜酵母という膜状の菌もいたり…。

カビにしても、酸膜酵母にしても取り除いてしまえば何も問題はありません。ちゃんとお味噌になっているし、美味しく食べられます。でも、可能ならカビは少ない方が良いですし出来るなら防ぎたい。

まずはカビの繁殖条件をチェックします。相手のことを知ることは大事です。その後に基本的な対策を確認し、最後にオススメの方法を解説します。これで手前味噌のカビは防げます!

カビの発生条件を考える

ここでカビの発生、繁殖する条件をチェックしてみましょう。

  • 酸素が十分に存在する
  • 水分がある
  • 栄養源が豊富にある
  • 気温が20〜30℃
  • pH(ペーハー)が中性付近

このようになります。

ほら、お味噌の表面って酸素が十分にあるし、乾燥してないし、もちろん栄養だって豊富、気温はもう少し低いところで保管できるけど夏場はね…、pHはほぼ中性。

そう、お味噌の表面にはカビが繁殖できる条件が整っているんですね。なので、放っておけばカビが生えてくるのは仕方のない事。

その中でカビを防ぐために僕らができることを考えてみると、

  • 味噌の表面にカビの胞子が落ちることを防ぐ
  • 塩分濃度を高めて対抗する
  • 酸素濃度を低くする

こういった方法になってきます。これらを意識していただいた上で、紹介する手前味噌のカビ対策をチェックしてみてください。

基本対策は味噌の表面に塩をふってカビや雑菌を防ぐ

まず基本のおさらい。おそらく味噌を作ったことがある方の多くが行う対策。初めて味噌を仕込む方もいらっしゃると思うので確認も含めてご紹介しておきます。

仕込んだ後の味噌の表面に塩をふりかけます。

自家製味噌にカビ対策

そうすることでカビ対策にもなりますが、その他の雑菌対策も兼ねています。お味噌の表面は何もガードされていない状態なので、塩をふって塩分濃度を高めておくことで腐敗菌の進入と繁殖を防ぐのです。

酸素に触れさせないことでカビを防ぐ

お塩をまんべんなく表面にふったら、さらにラップをかけておきます。

これはお味噌の表面が「酸素」に触れる部分を少なくするねらいです。最初に確認したカビの繁殖条件に【酸素が十分に存在する】という項目がありました。この条件を潰していくわけです。カビは酸素と触れている部分から繁殖していきます。

密封できる容器で仕込む

酸素がなければカビない。それなら、最初から空気が入らない容器で仕込むことも可能です。

例えば、僕のワークショップに参加された方にはこういう袋で仕込む方もいらっしゃいました。

自家製味噌のカビ対策

確かに理にかなってはいますよね。その他、少量であればジップロックのような袋でも可能です。

その他にも、酒粕を使用したり、昆布などを使う方法もあります。様々なもので味噌の表面を空気(酸素)に触れないような工夫がされます。

和からし、ワサビで味噌をカビから守る!

そして、僕の経験値の中で最も有効だった防カビ対策を紹介します。この方法、かなり有効。

仕込み終わった手前味噌の表面にまずはラップを敷きます。そこにチューブの和からし、ワサビを盛り付けます。こんな感じです。

自家製味噌のカビ対策

さらにその上から容器の口を塞ぐようにラップをかけて、独特の「ツーーン」とした香りを閉じ込めます。やることはこれだけ。高級なカラシやワサビである必要もないので100均で売っているものでOK。

アリルイソチオシアネートに抗菌、抗カビ効果がある

なぜ、和がらしやワサビを置くだけで防カビ効果があるのかというと、これらに含まれる「シニグリン」という物質が要因となっています。

シニグリン自体に辛味などはないのですが、カラシやワサビがすりおろされることで水分と酵素が反応し、加水分解が起こります。結果的に出てくるのがアリルイソチオシアネート。「ツーーン」とする原因の物質です。

アリルイソチオシアネートは揮発性が高く、「ツーーン」と鼻を刺激してきます。

アリルイソチオシアネートを味噌の表面と容器のフタとの間に充満させておくことで抗菌、抗カビ効果が発揮されて、味噌がカビにくくなるという仕組みです。

1つデメリットがあるとすれば、ラップの上に直接盛ると香りが味噌にまで染みていくことです。

とはいえ、香りが移る部分は接しているごく一部です。カビが生えた部分を取り除いて捨てることを考えれば、影響を受けるのはかなり少ない分量で済みます。

最近は、カラシやワサビを盛る部分にダンボール片を置いたりして、カラシやワサビが直接ラップに触れるのを避けています。

とはいえ、カビを取り除けば平気

いくつかの方法をお伝えしてきましたが、お好みの方法で試してみてください。カビは絶対に防がなければならないモノではありません。でも、防ぐことならなるべく防いでおきたい。

仮にカビがついてしまったとしても、スプーンなどで剥がして取り除けば問題ありません。

早め早めに対応することで保全できる味噌も多くなりますので、1ヶ月に1度くらいで良いのでお味噌のチェックをしてみてください。

また、この記事にたどりついてくださった皆様、よかったら僕のTwitter(@campanella225 )、インスタグラム(@kometokoji )をチェックしていただければ嬉しいです。質問などもいただければ可能な限りはお答えいたします!

では、楽しい発酵ライフを♪

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書いている人

1983年製。3児の父親。レコーディング・エンジニア。休日や平日の早朝は、趣味とは言えなくなってきた30坪ほどの畑と、1反の田んぼで過ごす日々…(笑)
大好きなお酒から発酵文化に興味を持ち、米を作っているなら麹も!ということでマイクロ麹屋さんを始めました。どうなっていくんだろ、僕の人生。

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