年貢に苦しんだ百姓の知恵。田んぼの畦で丹波黒豆を栽培!

国産黒大豆 有機栽培・自然農法
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かつて米が税金の役割を果たしていた頃、それは年貢と呼ばれていました。きっと小学校の歴史の時間くらいで習うんじゃないですかね?

年貢は村全体における石高(米の収穫量)に対して何割という形でかけられていたようです。

不作の年もあれば豊作の年もある。どちらにしても汗水流して育てた米は年貢として持って行かれてしまうのが当時の状況でした。

そんな中で、田んぼの「畦」で育てた作物には年貢が課からなかったらしいのです。

百姓は考え、畦に最適な作物を見つけるのです。それが「大豆」!

田んぼの師匠から聞いた話ではそんな経緯。ぼくの田んぼがある地域では7月上旬になると畦に大豆を植えます。苗で植える場合が7月上旬。種まきだと6月の上旬といった感じ。

畦で育てる大豆・枝豆。それが畦豆。

畦の基本的な役割としては田んぼと田んぼの境界線、同時に水田から水が漏れることを防いでいる。あとは…草に覆われているくらい?(笑)

人が1人歩くのでいっぱいいっぱいくらいの道幅しかないのだけれど、草の処理を怠っていると害虫の発生源になったり雑草の種子製造工場になってしまう。

ゆえに定期的に草刈りも必要なんですよね。

畦の草刈り

草刈りもだいぶ上達したけど、なかなか時間がかかる…

ぼくの田んぼは側面がこんな風に段違いになっているため、畦が通常の何倍かの面積に…これ、地味にしんどいポイントだったりする。

で、実際に畦豆を植えるのは田んぼの排水側。上の写真でいうと奥の方の斜面。

畦の草刈り

左に見えているのが排水路。この畦に黒大豆を植えていきます。

草刈りをして小一時間もすると刈られた草も乾燥して一気に茶色の大地に。7月の日差し強ぇ…

でも、ご覧の通りに畦も結構な面積があるんですよね。そりゃ、ここに年貢がかからないとなれば食い扶持として様々な作物を植えますよね…

今は畦豆という形でその名残が残ってはいますが、当時は様々なものに挑戦していたんじゃないかなぁ?と思いをはせる。

地元農家さんから苗を購入

昨年は種から畑で2株だけ育てていたんですよね。今年も自分で種から育てようかなと考えていたのですが、地元の農家さんが良質な苗を育ててらっしゃるということでそちらから購入させてもうことに。

その苗がこちら!!

丹波の黒豆

丹波黒豆の苗。1つのポットに2つ植えられてる。

うん、立派!!黒豆の苗ってここまでキレイに出すの難しいんですよ。

発芽しても、双葉に当たる豆が虫に食われちゃったりしてキレイに出せない。1つのポットに2株。これを40ポット購入したので…80株くらい植えます。

めっちゃ多いな…今更だけど文字に起こして初めて気がつく(笑)

しかも、これ『丹波の黒豆』なんですよ!高級品(笑)まぁ、産地名バリューってのもありますが下に紹介している黒豆は200gで1320円!

高いよ…でも、それだけの労力がかかるのも知ってる。枝豆から大豆になってく過程でめっちゃ虫に食われます。話がそれました。

根粒菌との共生で痩せた大地でも平気!

株間の適正が60cmくらいに対して45cmくらいで植え付けてしまった…ちょっとした勘違いが元だったのだけど、結果はどうなるんだろ。

畦豆

ずらぁ〜っと並んだ大豆の苗!

基本的にはこのまま放置です。

もちろん株と株の間の草取りはしますが、水田に水を戻す時期にきているので大豆への水分補給は田んぼが勝手に行ってくれる状態。

畦は水田からの水分が常に供給されるため、大豆の生育条件としては理想的なんですよね。しかも、大豆の根には根粒菌という菌が寄生し、共生しています。

この根粒菌は空気中の窒素を窒素化合物として窒素固定し大豆に供給し、大豆が光合成で生成した炭水化物を頂く。こういう共生関係を作っているんですよね。

なので、大豆は比較的痩せた大地でも育ちます。肥料も何も与えません。それを可能にしているのが根粒菌ってわけです。

畦豆

1週間後、しっかり育っているのがわかります。草も育ってますねw

半分は枝豆として、半分は大豆に

枝豆と大豆の違いはというと、大豆を未成熟で収穫したものを枝豆。夏を過ぎて秋の終わりにカラカラに乾燥するまで育てていくのが大豆。

黒大豆を枝豆として食べてみると、少し市販の枝豆よりも色味に鮮やかさがない。少し黒みがかった色になっています。また、収穫後に紹介しますね!

ただ、味は本っ当に美味しい!!昨年、いただいたモノを食べたのだけど、これまでの人生で一番美味しい枝豆でしたね。

味が濃くて、風味が良い。食感も少しホクホクしてる感じ。

残りは大豆にして味噌にする予定です。昨年も少量ですが仕込んでみました。まだまだ発酵熟成中なので味はわかりませんが(笑)

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では、米とともに大豆の成長も楽しみにしていてください!味噌作りに興味がある方はこちらの書籍もオススメですよ!

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書いている人

1983年製。3児の父親。レコーディング・エンジニア。休日や平日の早朝は、趣味とは言えなくなってきた30坪ほどの畑と、1反の田んぼで過ごす日々…(笑)
大好きなお酒から発酵文化に興味を持ち、米を作っているなら麹も!ということでマイクロ麹屋さんを始めました。どうなっていくんだろ、僕の人生。

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