無農薬栽培の必須アイテム「中耕除草機」メリットと注意点

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日々、田んぼの草とりにいそしんでおります。どうも、よーへい(@campanella225 )です。今年は強力な除草アイテムを手にしました。その名も中耕除草機」!

昨年は師匠にお借りした中耕除草機の一種に助けられたのですが、本格的に無農薬栽培を行なっていく上で自前の道具が必要なだと購入したんですよ。

実際に僕が購入したのは型番が「AS-60」。上記のモノとは型番違い。型番の違いで回転するローターの幅が変わります。

[aside type=”normal”]ローター幅が18cm〜24cmまでで数種類の型があります。ご自身の圃場の条間と株間を確認してからお選びください。[/aside]

さっそくですが、使い方については実際に使用している様子を見ていただくのが早いと思います。こんな感じ!

いかがでしょう?取手を握り、田んぼをまい進!使い方の説明は不要ですよね(笑)

今回はこの中耕除草機のメリット・デメリットを書いていこうと思います。

無農薬栽培の伝統的アイテム

この中耕除草機、ご存知の方もいらっしゃると思うのですが真新しいものではありません。伝統的な除草道具なんですね。

実際、田んぼでガシャガシャと使っていると、早朝の散歩を楽しんでいらっしゃるご老人にこんな事を言われます。『懐かしいなぁ。もう4、50年は見なかったよ。この光景っ!』って。

そう、農薬を使用する栽培が一般的になる前はごく当たり前の道具として使われていました。家族や近所のお手伝いさんと一緒に除草作業を行なったそうです。風物詩だったんだろうなぁ。

米の無農薬栽培って?

無農薬栽培で米作りをするという事はどういうことか?というと、『草との戦い』なんですね。農薬は害虫や細菌を防ぐものもあれば、生えてくる草を溶かしてしまうような除草剤などがあります。

それらを全く使わずに栽培していくには、どうすれば良いのか?

簡単にいうと、水田に生えてくる草を除去して地中の養分を稲に集中させる。そのことによって草に負けない稲に育てる。

また、害虫(カメムシとか)はどこからやってくるか?というと、畦からの侵入なんですよね。なので、畦の草刈りも小まめに行う必要があります。

ものすごく主要なポイントをあげるとこんな感じなんですよね。「草」をどう扱っていくか?が重要ということが解っていただけるかと思います。

中耕除草機を使う3つのメリット

そこで、登場するのが「中耕除草機」なワケですが、そのメリットを1つ1つ見ていきましょう。

人にも環境にも優しい米作り

先ほどから話していることと重複してくるのですが、除草剤を使用せず栽培が可能になります。もちろん、そこには労力と時間がかかるワケですが…中耕除草機があるのと、ないのとでは雲泥の差があります。

実感としては、自分の手だけを使って除草するのに対して時間にして2〜3倍は短縮できます。

また、除草剤を使わないコトで人にとっての安心・安全に繋がります。同時に土壌にとっても優しい栽培となります。

草を根付かせない、芽が出る前に摘む

中耕除草機のローター部分を見てみます。

中耕除草機

前後についているローター部分。前後で刃の形状・数が違っています。このおかげで、ローターの幅内はムラなく土壌を掻き込んでくれる設計。

中耕除草機を最初に使うタイミングとしては、田植え後5日目あたりから。田植え直後では苗が不安定なので4日間ほどは見守ります。

5日目あたりから圃場に入って中耕除草を始めるのですが、この時点で草の芽は地表に見えていないかもしれません。それでも、除草機をかけていきましょう。

そうするコトで、地中で芽吹き出しているコナギなどの根を切ることが可能となり大幅に抑制できます。

仮に芽が出てしまった(現状の僕なんですが)としても…ゴシゴシと除草機をかけることで除草が可能です。成果はこんな風になります。

無農薬栽培

掻き込むことで根っこから除草できていることがわかると思います。このまま、浮遊して排水から流れ出ていきます。

地中に酸素を送り、稲を強くする

除草の効果とともに大きなポイントになるのが酸素の供給

これだけ掻き込むので、除草と同時に地中に溜まったガスを抜き、酸素を送り込むことができます。根の張りが良くなることで倒伏を避けることが出来るます。

稲を強くするという意味ではチェーン除草もオススメです。正直、「除草」という意味では中耕除草機の方に軍配が上ががるかな。

中耕除草機のデメリットと注意点

ここまではメリットを見てきましたが、デメリットと注意点も見ていく必要がありますね。

そこそこ労力と時間はかかります!

デメリットと言ってよいのか迷うところではありますが、どうしたって労力と時間はかかります。

「絶対に無農薬栽培をする!」という方にはメリットが断然多いですが、「楽をしたい、そこまで労力と時間はかけられない」という方には厳しいなぁと思います。少量の除草剤を使う方が明らかに効率的です。

ここは信念や考え方、状況次第なのでどちらが正しいという話ではないと思うので言及しません。

ただ、1つの解決策として複数の条間を一気に除草できる中耕除草機もあります。こちらは手動の手押し式で2条を中耕除草することが出来る商品。

こちらは動力付きのものでローターが動力で回転します。3条を基本として、アタッチメントを使用することで5条、7条と増やすことが出来ます。

大きな耕作地をお持ちの方はこういった機材を使用することで、無農薬栽培を可能としています。

水がない状態での使用は厳しい

先日、短期的な中干しを行いました。目的は地中のガス抜き&酸素供給です。ここまでに1通り中耕除草が完了していれば音大ないのですが、終わっていませんでした。

このままでは草の成長を見守るだけになってしまう…ということで中耕除草を試みたのですが役に立ちませんでした。

水を抜いたばかりのヌカるんでいる土壌では使えますが、大かた水が乾いてきてしまうとローターに土がまとわりついてしまって、泥ローター状態になってしまいました(泣)

ただただ、地表を泥でコーティングされたローターが転がるだけ…絶望感が凄まじかったですよ。

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こうなってしまったら、手作業で除草を進めるか短期中干しなので水が入る時まで待機する方がよいと感じました。

稲の直下は除草がほぼ不可能

ローター幅をうまく選択すれば、条間と合わせて株間も除草が可能です(株間がうまく揃っていないと難しいですが)。

ただ、どうしても稲の直下までは除草しきれません。守るべき稲の根や本体を傷つけてしまいそうです。なので、大部分の条間・株間の除草は中耕除草機。稲の直下は手作業ということになります。

無農薬栽培においては必須アイテム

こうしてメリットとデメリットを見てきましたが、使用している実感としては必須アイテムだな!って感じています。

昨年は田植え直後にだけ除草剤を入れていました。ですが、自分のミスで落水させてしまいろくに除草剤が効かなかったんですね。その後の除草作業はなかなか厳しいものがありました。

そこからの体感として、中耕除草機は優れていると言い切れます。本当に素晴らしい!古くからの道具とはいえ、知恵が詰まった道具なんだなと。

また、今の製品は基本的にアルミ素材なので重量が軽く、その部分位おいても作業効率は上がっていると思います。

購入をお考えの方の助けになればと幸いです。

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気候と発酵と日本人と。

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書いている人

1983年製。3児の父親。レコーディング・エンジニア。休日や平日の早朝は、趣味とは言えなくなってきた30坪ほどの畑と、1反の田んぼで過ごす日々…(笑)
大好きなお酒から発酵文化に興味を持ち、米を作っているなら麹も!ということでマイクロ麹屋さんを始めました。どうなっていくんだろ、僕の人生。

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