【常滑市】日本酒・白老の澤田酒造にみた「うまい酒と文化の継承」

澤田酒造 愛知のオススメ
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愛知県常滑市、嘉永元年(1848年)創業の澤田酒造さんで行われた「秋の蔵祭り」に行ってきました。

澤田酒造さんの面白いポイントは昔ながらの製法、道具を大切にしながら酒造りをされているところなんです。しかも、大吟醸酒から普通酒に到るまでそのポリシーは変わらない。

「そんなの当たり前じゃん?」という方もいらっしゃるのかもしれませんが、想像している以上に酒造の世界も近代化が進んでいるものです。

超デカいセイロ!甑(こしき)の縄巻きを見学

例えば、この「秋の蔵祭り」の1つのメインだったのが『甑(こしき)』の縄巻き。

この大きな物体が甑。いったい何に使うのかというと、酒米を蒸す。そのための大きな桶です。セイロのおばけと言ってもいいかも(笑)

酒造りは蒸しからの本丸「甑」

「酒造りは蒸しから」という言葉があるほど、米を蒸すという工程は重要なものです。その道具が「甑」。

澤田酒造さんのホームページでは、「甑」製作の一部始終が詳しく掲載されています。そこからも製法・道具への強い思いがうかがえるので、ぜひご覧になっていただきたいです!(末尾にリンク貼っておきます。)

現在、木製の甑を使っている酒造は日本全国でも減っています。愛知県内の酒造では澤田酒造さんのみになっているとのこと。

規模が全く違うのですが思い出すのは、先日の糀づくりで体験した「和セイロで米を蒸すか、金属製のセイロで米を蒸すのか?」で蒸し上がりに大きな差が出たという事なんですよね。

木製甑の方がより理想に近い蒸し方ができるのに、なぜ使う酒蔵が減っているのか?

それは木でできているからこそメンテナンスに非常に気を使う必要があること、蒸しあがった米を取り出すために暑い甑内に人が入って掘り出すという重労働が挙げられていました。

澤田酒造

実際の作業がパネルでも紹介されていました。

うまい日本酒と文化の継承

酒造に到着し受付を済ますと、まずは甑の縄巻き会場に。

午前中にうかがったのですが、すでに多くのお客さんで賑わっている状態。周囲の声から察すると、2月に行われる「新酒を楽しむ会」よりはまだ落ち着いてるとのことで「多くのファンに愛されているんだなぁ」と。

場内に入ると、作業が行われていました。

澤田酒造

職人の手さばきって、なんでこんなにカッコいんだろう…

甑を作れる職人が減っていること、だからこそ自分たちでもメンテナンスについて学んでいかなかればいけないというお話を伺いました。

継承、その先へ…

また、場内でTwitterで仲良くさせていただいている、澤田酒造の澤田英敏さん(hideaway_hakuro )さんともお会いできた。

Twitterでは何度もやり取りがあったのですが、実際に顔を合わせてお話をさせていただくのは初めて。

今回の甑への思いや、米作りのことまで短い時間ではあったけど濃い話をうかがうことができました。

その中で強く感じたのはもちろん「おいしいお酒を作っていく」という想い。そして、それとともに『この地での酒造り』ということでした。

そこには原料となる米。そして、その米を自ら作るということと作っている農家さんへの想いがありました。

酒造ですから美味しい酒を作るというのは大前提のもと、米の等級に縛られない酒造りについてもお話をしてくださいました。

僕自身、米作りをしているのですがその言葉ってとても重いものだと感じます。米の等級というのはわかりやすい指標の1つです。同時に本当の意味でのクオリティーとは直結しない指標でもあります。

米の等級って美味しさの指標ではないんですよね。美しさの話なんです。なので色の悪い米を弾けば等級は上がる。

ですが、人はわかりやすい指標に反応しやすいのも事実なんですよね。そうではなく、その年その年の米をどう活かして美味しい酒を作っていくのか?そこが酒造としての力。

言葉にすれば簡単に聞こえますが、その想いや覚悟って計り知れないものですよ。

本当、澤田さんのお話からは「次」を強く感じました。これからも、とっても楽しみ。そして、僕も酒米づくりに手を出していきたいと思う今日この頃です。

*澤田酒造さんのホームページはコチラ!ぜひ、「白老の酒造り」を読んでみてください。

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書いている人

1983年製。3児の父親。レコーディング・エンジニア。休日や平日の早朝は、趣味とは言えなくなってきた30坪ほどの畑と、1反の田んぼで過ごす日々…(笑)
大好きなお酒から発酵文化に興味を持ち、米を作っているなら麹も!ということでマイクロ麹屋さんを始めました。どうなっていくんだろ、僕の人生。

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