前回の「減農薬栽培での米つくり。田植えから1ヶ月でやってきたことと反省。」で中干しという工程に入ったと書きました。
この「中干し」、とっても重要な工程の1つ。
目的としては大きく3つあります。
- 水を切る事で過剰な分蘖(ぶんげつ・ぶんけつ)を防ぎ、出穂を揃える。
- 地中に酸素を供給し、溜まっているガスを抜く。また、地中へ根を向かわせる。
- 稲刈りの時期に機械が入りやすいように土を硬くしておく。
こう言ったところ。
過剰な分蘖(ぶんげつ・ぶんけつ)を抑える理由
分蘖というのは、稲が株別れしていくことを言います。田植え時には1〜2株ほどだったものがどんどん株別れして増えていきます。
田植え直後はこの様子。
これから1ヶ月半が経ち、今朝の田んぼはこうなりました。
もちろん、背の高さも大きくなっていますが束になってますよね!分蘖によって株の数は20〜25本に増加。
水を入れておくとさらに分蘖が進行してしまうため、株の数が20〜25本くらいの時に中干しをスタートし強制的に分蘖を止めます。
過剰に分蘖してしまうと、米の味が落ち米の粒も小さくなってしまいます。
出穂を揃えて収穫のタイミングを合わせる
米の品質を落とさない為にも重要ですが、収穫のタイミングを揃える意味もあります。
同じタイミングで田植えをしているので、ほぼ揃って生育は進んでいます。それでも不揃いな部分って残っています。人間もそれぞれですもんね。
なので、水を切って分蘖を止める事でそろそろ出穂の時期ですよって伝える。
そうやって秋の収穫時になるべく生育状況をそろえていきます。
地中への酸素供給とガス抜き、そして根切り
田植え後1週間で短い中干しをしたんですが、その時と意味合いは同じ。さらに地中に溜まっているガスを抜いていきます。
同時に酸素を供給していきます。田んぼの師匠にこういう事を教えてもらって初めて知ったのですが、確かに水田の地中って無酸素状態になっていきますよね。
当たり前の事なんですが、言われないと気づかなかった。
ガスを抜いて、酸素を送り込むことによって根が地中深くにはっていくのを促します。
根の張りを良くするという意味では、水を切ることそのものがその効果を担っています。地表の水分がなくなっていくので、水を求めて地中への根を伸ばしていくのは当然の流れなんですよね。
地表の近くの根っこは切れる
この中干し、地表がひび割れるくらいまで干します。この2週間弱で少しヒビが入ってきました。
水を抜き始めてから2週間弱。完全に水が落ちてからは1週間ほど。雨が降ったりで、地表は濡れていますがヒビが入ってきているのがわかります。
地表がひび割れていく中で、地表付近の根っこは引きちぎられていきます。これがさらに根を地中に向かわせる要因となっていくんですね。
天候次第ですが、この後も干していき7月20日くらいまでをめどに中干しを続けていきます。
稲刈り機が入れるように地固め
ぼくの田んぼの収穫は基本的に稲刈り機が入ります。刈りにくい部分は手刈りもする予定。息子が今からやる気なんですよ…彼は2、3歳から稲刈り体験をしているのでぼくよりもよっぽど手際よいんです(笑)
昨年は秋の長雨で収穫時期がとても難しかったんです。ぼくは米つくりをしていなかったんですが、師匠に話を聞いたりはしてたのね。
長雨で何が問題か?というと米の乾燥も難しいという事と稲刈り機が田んぼに入れない事。
地表がぬかるんだ状態では稲刈り機が入れないんですね。
なので、この時期の中干しで1度しっかりと地表を固めて置いて収穫時期に短期間で稲刈り機が入れる地表の硬さに持っていきやすくしておくんです。
中干し後の入水は慎重に!
中干しが終わると、また水を入れていきます。この時の水加減がめっちゃ難しいらしいので師匠に習い(倣い)ながら進めていこう。
一気に水を入れてもいけないし、でも穂が育つには水も必要で…というところで微妙なさじ加減。
ひび割れするほど干したところに一気に水を入れて深水にしてしまうと、根腐れを起こしたり葉が枯れたりすると聞いている。なので、ゆっくり水を入れていきながら…
とりあえず、イメージを固めつつ草取りに勤しみます(笑)
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