先日、久々に酔いすぎました…めちゃくちゃ気持ちよく酔っ払っていたのでよかったのですが、終電にも関わらず降りるべき駅を寝過ごし…うん、ダメな大人のよーへいです。
なにゆえ、こんなにも気持ちよく酔っ払っていたのかといえば以前にもご紹介した澤田酒造さんの創業170周年祭にお邪魔していたからなんですよね。
当日はゲストとして、ぼくが敬愛する発酵デザイナーの小倉ヒラクさんがいらっしゃっていました。単独の講演会と地元の醸造家を交えたトークショー。
「米と糀」というネットショップを開設し、糀を作ってお届けするということを始めた今だからこそ、改めて発酵、糀の奥深さ面白さを感じられました。
発酵とは自然と向き合う行為
その中で、改めて発酵そしてその土地どちの発酵文化、食文化というものはその土地の気候に向き合ってきた結果なんだなと感じるわけです。
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例えば、今回の講演会のメインの話題とも言える部分小倉ヒラクさんがtwitterで共有してくださっています、
今回の講演用の資料集めで一番興奮したのが澤田酒蔵の蔵の方角。北と西に蔵が連結された逆L字型になっているのですが、これは大陸から関ヶ原を吹き流れてくる、冷たい冬の季節風を取り込んで雑菌の少ないクリーンな酒を醸すための知恵です。知多の酒は海から流通と気候の2つの強みをもらって栄えた。
— 小倉ヒラク | Hiraku Ogura (@o_hiraku) May 26, 2018
補足ですが、日本酒の仕込み&製造というのは寒い時期に行われます。その理由は2つ。
- 気温が低いことで発酵のスピードをゆっくりに保てる。
- 気温が低いこと、乾燥していることで発酵に関わって欲しくない雑菌の活動が抑えられている。
ということです。
そのためには、ヒラクさんのツイートにある通り冷却設備のない時代においては自然の力を借りてどうにかコントロールしていくという方法になるわけですよね。
実際、澤田酒造さんがある知多半島では冬場には強烈に北西の風が吹きます(笑)本当に強い。しかも冷たい!
冷蔵施設のない時代、冬の冷たい風をどう蔵に呼び込むかは醸造のクオリティコントロールのための超重要事項でした。知多の酒蔵は北西の季節風にシンクロするために蔵の形を逆L字型に設計した。自然と微生物をよく観察した結果の優れた建築デザインだと感心してしまったぜ。
— 小倉ヒラク | Hiraku Ogura (@o_hiraku) May 26, 2018
という話になるわけ。
気候がぼくらを作ってきた
裏を返せば、北西の風がなかったのなら澤田酒造さんのお酒は生まれなかったのかもしれないんですね。ここで「もし」なんて話をしていても仕方ないのですが、そういう事も言えなくはない。
そして、僕らの暮らしの中にはそういったものが実はたくさんあるわけです。食べ物にも「日本人」という存在にも。
先日、こんなことを考えていました。
米を主食として生きてく上で村の共同体は必須だったろうし、だからこそ村社会も生まれた。気候が日本人を作ったって事だなと。
— 高下陽平|Youhei Takashita (@campanella225) May 24, 2018
Twitterでは言葉足らずになってしまっていたのですが、日本が米を主食としたのは、この高温多湿な気候が関係しています。それはなんとなく、皆さんも認識があるのではないでしょうか?
アジア圏は米。ヨーロッパ圏は小麦。気候も全く異なりますよね。
この気候だから、米作りが主流になった。米作りをしているから日本人的な考え方や文化が生まれた。とても、ざっくりとした例ですが、自然が日本人を作ってきたとも言える。
今となっては気がつかない事が増えてしまっていますが、ヒトは間違いなく自然や気候、環境と向き合いながらこの生活や文化を形成してきたんですよね。
そうする事でしかサバイブしてこれなかった。うん、そう思うともの凄い蓄積の上に僕らは立ってるわけです…
今夜、味噌汁を飲むときに少しだけその味噌の発祥に想いを巡らせてみてください。知らない地元の歴史や気候に気づかされるかも。
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