近ごろでは美容・健康のためだけではなく、その味から玄米を食べる方も増えているようですね。
米作りを始めた僕ですが、実はろくに玄米を食べたことがありませんでした。食べたとしても8分づき程度。ほぼ白米を食べて生きてきたんですよね。
必然的に玄米を目にする機会というのは少なく、米作りを始めてからようやく目が向くようになった感じ。
先日、無事に収穫を迎えた田んぼ。収穫を終えた時点でお米は籾に包まれています。
「収穫って儀式だ。」初めてのお米作り、収穫してみて感じたコト。
その後、乾燥&籾すりという工程を経て、やっと玄米と呼ばれる状態になっていきます。
仕上がったお米を見ていると…この中に緑色っぽい玄米が混ざっていた。これまで、黒い米粒が混ざっているのは経験があったけど緑は初めて!
一見すると発育不良だったの?とか、成熟が十分じゃなかったのかな?と疑念を持ってしまう見た目。その辺り、師匠に聞いてみると、こんなことを教えていただけました。
玄米に緑っぽい米が混じる。それが収穫のベストタイミング!
そもそも、緑色のお米は何なのか?
冒頭に書いていた疑いの通り「未成熟」の粒なんです。でも、少しだけ話の続きを聞いていってください!なぜ、未成熟の米があるのに収穫するのか?ということが重要なんですね。
稲穂の中でも成長具合が変わる
こうべを垂れている稲穂たち。その中の1本1本の稲穂においても籾の成長具合は違ってくる。
当然といえば、当然ですが農作物を育てた経験が少ないと意外に見落としている事実。そして、稲穂の成長過程において先端ほど早くから外に出てきています。
そうすると必然的に成長期間が長くなるんですよね。稲穂の首元の方が若くなります。
結果、稲穂がこうべを垂れて黄金色に輝きだしても、稲穂の首元の米は青っぽい緑色のままのものが残っているんですね。
では、全ての粒が黄金色になるまで成長させたら色が揃うのでは?と考えますよね。実際、時間をかければ全ての米粒が黄金色になり、緑色の玄米が混じることは減っていきます。
ですが、あえてそれはしていないんです。
完熟を待っていると味が落ちる…
稲穂の首元の米が黄金色になる頃、先端のお米は完熟を超えていきます。熟れすぎた状態になってしまうんですね。そうなってしまうと全体としては熟れ気味のお米が増え、味が落ちてしまう。
なので、あえて首元に色が青いままの米が残っている状態で収穫に移っていくという流れ。
「生き青」と「死に米」
少し青い米が残った絶妙のタイミングを狙ってお米は収穫されています。なので、買った玄米の中に緑色の粒が入っていたら「おっ!ベストタイミングで収穫してくれたんだ!」と考えて良いです。
とはいうものの、その中でも区別があります。
青いけれど実が詰まった米を「生き青(いきあお)」と呼んでいます。見た目は緑色をしているので大丈夫か?と感じると思いますが…先ほどの通り、あと少しで黄金色になるお米。
なので、味は通常のお米と同じ。
逆に青い粒で中身が成長しきれなかったものもあります。それは「死に米」と呼ばれていて精米すると白い濁った米になったり、ボロボロと崩れて粉になってしまうものです。
もちろん、死に米に害はないので問題はありません。あくまでも区別の話。
「生き青」が入っているとお米が甘い!
今年の僕のお米は師匠のおかげで「生き青」が入ったタイミングで収穫ができました。収穫されたお米のポテンシャルが最大値になっているタイミングということです。
精米して実際に食べてみたのですが、甘みがとにかく強い!
5分つきの半玄米で食べてみても、精米した白い米でも甘みがよく出てるんですよね。一口目から米の甘みを感じられる。本当に美味しいです!
精米しているとわからないので玄米限定ですが、ぜひ、玄米を目でみて購入できる機会があったら「生き青」を探してみるのも1つの手だと思いますよ!
新米の季節、美味しいお米を楽しんでくださいね!
こちらの記事もオススメです
・減農薬・無農薬栽培での米つくり。除草、抑雑草にはチェーン除草機が強い味方に!
・白いお米の中に黒い粒が…これって何?その正体と等級について。
・【映画・人生フルーツ】「ときをためて」こつこつと生きていく。