きっと誰もが1度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか?精米した白いお米を買ってきて炊いたはずなのに…その中に黒く変色した粒が入っている!!
特に気にしないで食べちゃうよ!って方もいれば、取り除いてから食べるという方もいますよね。
今日はこの黒い粒の正体のお話をしていきたいと思います。
黒い米粒はゴミじゃない!!
こういう感じで黒く変色したお米の粒の話。
「特に気にしないよ」という方の多くは、稲の成長過程で変色することもあるんだろうと考えて食べているんだろうと思います。何より、ぼく自身がそうでした。
取り除く方は何かしらの異物だと思っていたり、発育不良の粒、たまにはゴミが混ざってると勘違いされる方もいらっしゃるようです。
もちろん、ゴミなんかじゃないんですよ(笑)れっきとしたお米。では、なぜ黒く変色してしまったのか?
カメムシによる食害で黒く変色する
実は、黒くなってしまっているお米の正体はカメムシがお米を吸った痕なんです。
稲穂の状態のお米にくっついて養分を吸ってしまうんですね。カメムシ的にも生きていくためにやっているコトなので仕方ないといえば仕方ない。
カメムシはなんとなく判りますよね?手で触ってしまうと臭くなる虫。パクチーの匂いのね。(「カメムシ=パクチー」になっていてパクチーは食べれないw)
彼らが米粒に吸い付くコトでお米は黒く変色してしまいます。このことを米業界では「ヤケ」と呼んでいます。
等級を左右する「ヤケ」
黒く変色しているので見た目は悪いですが、食べても何の問題もありません。ただ、あまりに多く含まれてくると「エグみ」「苦味」になると言われています。
まぁ、何よりも黒い粒だらけでは気持ちもノラないですよね…
で、実はこの黒いお米粒が「等級」を左右していることはご存知でしょうか?等級を取らずに販売されているお米もあるにはありますが、基本的には等級付けがされている。
その等級。3等級よりは2等級。2等級よりは1等級が美味しいと思いませんか?
実は味とは全く関係がないんです…
ヤケの混入率で等級は決定している。
味ではなく見た目の判断が等級。
白いお米の中にどれだけの割合で黒くなった米である「ヤケ」が含まれるかで、等級付けがなされているんです。
もちろん、ヤケが極端に多ければ味にも支障をきたすと思いますが…そんなに大量のヤケが入ったお米には出会ったことはありませんよね?
では、具体的にどんな割合で等級付けがされているのか基準を見てみます。
見ていただきたいのは「着色粒(%)」という欄です。
1等級では「0.1%」2等級は「0.3%」3等級では「0.7%」となっています。どう感じられますか?
今年、自分で米作りをしてみて感じるのは「かなり厳しい基準」だなってこと。まぁ農薬をバンバン撒いてしまえば話は変わってくるのかもしれないけど。
選別と判定は機械と人の眼で
収穫したばかりのお米には当然のようにヤケが混入します。その後、籾すりや乾燥といった作業を経て各家庭に届くわけです。
その間に選別が行われているんですね。センサーで黒い米粒を識別して空気銃の要領で弾きだす機械があるんだって。
ぼくは見たことがないのですが、YouTubeにこんな動画があったので紹介しておきます。
最終的には目視で取り除く部分もあるようですし、キレイな白いお米が届くまでには多くの苦労が潜んでいるんですよね。
黒い粒が入ってたって自分で取り除くなりして、食べようぜ!
ということで黒い米粒の正体と等級の関係について話してきましたが、この等級によって価格が左右してしまう現実があります。
誰だってキレイなお米が良いですからね。価格に差が出るのは必然です。
ですが、消費者側もこのくらいでいいんじゃない?という気持ちは必要だと思うんですよね。本来の美味しさと直結しない部分で等級が付けられ価格が決められてしまっているのが現状。
実際、東北地方では等級の基準の緩和を考え始めているようで、こんな記事も出ていました。
コメ着色粒の混入限度、秋田など12県緩和求める 市民団体調査 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
今度、黒い粒を見つけたら少しこの記事のことを思い出してくれると嬉しいです。
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