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    発酵ツーリズム

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    「あ、麹が呼んでる。」

    入り口をはいって左に曲がる飛び込んできた言葉。心を奪われた。麹が呼んでる。幾度となく麹づくりをしているとこの感覚が湧いてくる。

    人としての生活のリズムの中に微生物のリズムが重なってくる。そうやって日本各地、世界各地の醸造家たちは微生物の声を聴きながら酒、醤油、味噌、みりん…様々なモノを醸している。

    先日、渋谷ヒカリエで開催されている「Fermentation Tourism Nippon 〜発酵から再発見する日本の旅〜」にお邪魔してきました。この展示のキュレーションを行ったのは発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。

    そう、言わずと知れたヒラクさんです。麹づくり講座をしていただいたのはもう2年前か…ここからさらに僕の発酵への浸かり方が加速した。

    その話は置いておいて、発酵ツーリズムの話。

    47都道府県47種類の発酵食品が大集合!

    今回の展示、日本全国47都道府県47種類の発酵食品が紹介されています。すべてヒラクさんが各地を訪れ歩き出会ってきた発酵食品。すごい…

    しかも、1つもかぶっていないんですよね。醤油なら醤油で1つだけ。味噌も、酒も被らない。それだけでも、日本の発酵文化の奥深さが見えてくる。自国のことであり、かつ発酵好きとか言いながら…こんなにも多くのことを知らないんだなぁって。

    この展示のディープさ、日本の発酵食文化の深さを感じます。

    発酵ツーリズムでの展示
    すべての発酵食品には製造法とかその食品が生まれた背景などが解説されている。

    また、発酵初心者の人でも活躍する微生物が解りやすく紹介されていて、連れて行った息子たちも「これ、謎の微生物も活躍してるよ…プププ!」と楽しんでいた。

    発酵を通して見えてくるもの

    でね、ヒラクさんとお話して、Twitterで知り合った仲間と会ったりして、見ている最中はなかなか言葉にならなかったのだけど…山手線に腰掛けてボーッと景色と息子たちを眺めてたらジワっと込み上げるものがあったんだよね。

    先人の生きてきた道

    もう少し言葉を重ねていくと、展示を見ていく中でとんでもない発酵食品がいくつか出てくる。それは発酵させずに食べたら死んじゃう食材を使った発酵食品。

    これは石川県の「フグの卵巣を糠漬け」にしたもの。知っている人が多いと思うけど、フグの卵巣は猛毒を含んでいて食べられない。それを数年かけて塩漬けにしてから糠漬けにするという工程を踏むことで無毒化しています。

    うむ、すごい…物産品開発に情熱を注いだ加賀藩の宝。

    もう1つ強く印象に残っているのは奄美地方のソテツを発酵させた「なり」。

    ソテツも有毒で、タネも本体もどこを食べてみても有毒!どこも食べられないような植物なんだけど、これも水や空気にしっかり晒すことで中毒成分を抜く。その後に麹にして味噌を作ったり酒にしたりと、こちらもなかなか衝撃的な発酵食品なんだ。

    特に「なり」は奄美地方という自然災害や異常気象など、過酷な環境での飢饉対策の側面が強い様子なんですよね。まさに生きるために醸す。

    極端な例を2つ出してみたけど、実はどんな発酵食品も同じような背景を持っているんですよね。なぜならって、それは発酵させることで食材の保存性を高めているから。

    畑やっていると感じるんだけど、旬ってその時しかない。いっぱい採れるんだけど、一方で食べきれるわけじゃない。いっぱい採れたなら、これを長く保存できるようにしたいなぁって。そう思うのが人だよね。

    『長く保存がきくようになる=非常時に助かる』

    こういうことなんだと思う。そう思うと、発酵食品ってまさに先祖が生き残るためにやってきたことの上澄み。そこに至るまでには失敗したり、危機を前にただ右往左往したりして亡くなっていった人たちが大勢いるんだよね。

    そんなことを考えながら展示を巡っていると、紹介したツイートのような感想に至った。

    これからも生きていけるし、生きていく

    こうして日本人は生きてきたんだなぁって感じるんだけど、同時に世界中で同じようなことが起こってきたんだろうと想像する。人はこうやって生き残ってきたんだ。

    人間が優れているから生き残ってこれたわけじゃなくて、必死に泥水すすりながらも食べられないようなものも工夫でクリアして、命をつなぎ、またそれを次に伝え繋いできたから生き残ってこれたんだなって。

    その片鱗を発酵食品が伝えてくれているんだ。

    愛着がわく

    でね、これを読んだ人はもれなく渋谷まで行ってみてきて欲しい!

    どう感じるかはもちろん自由なんだけど、少なくとも地元とか関わったことのある土地に愛着が湧いてくると思うんだよね。

    今回の展示は見る人の心にそんな変化を起こしてくれるものだったと僕は感じています。

    好きになる、愛着を感じるというのは誇りに感じることにも繋がっているように思っていて、対外的な誇りではなくてね。どう言えば、いいんだろう…?自分の中で誇らしいんだ。誰かや何かにマウントを取るための誇りじゃなくて、自分の中で誇らしいの。

    今回の発酵ツーリズムを見させてもらうことで、そんな感覚を地元だけじゃなく、日本全体にまで広げてもらったように思う。

    長くなってきてしまったけど、最後にヒラクさんの本を紹介して終わっとこう。

    今回の展示取材を紀行文としてまとめた書籍が発売されます。展示には行けないけど…って人はどうぞ!展示に行く人もきっと読みたくなっちゃうと思います。

    と書いたのですが、「日本発酵紀行」は出版ツアーが終わる2019年8月いっぱいまではAmazonでの取り扱いはしないことに決まったそうです!

    小倉ヒラクさんのブログ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    33歳、二人の男の子の父親してます。レコーディング・エンジニア。「丁寧に生きる」をテーマに本質的な生き方を求めています。農業/発酵/ロケットストーブ/ワイン/ビール/里山/狩猟/愛知県