渋谷ヒカリエで開催されていた発酵ツーリズムで紹介され、ワークショップまで開催された青森県十和田のローカル発酵食品「ごど」。
この話題、発酵ラバーたちの間ではめちゃくちゃ盛り上がっていたのね。
当然、ワークショップに行ってレシピを知りたいのが本望ではあったのだけど…田んぼの事などがあり、上京する予定が立たずに断念。あとは情報から推察して仕込むしかないなってことで、やってみましたよ「ごど」作り。
麹と納豆で作る発酵食品「ごど」の作り方
今回のごど作りにおいて参考にしたのは、まずは小倉ヒラクさんのこちらの記事。僕が「ごど」を知るきっかけにもなったもの。
【第45回】納豆×麹×乳酸発酵? 青森十和田『ごど』の衝撃 | アマノ食堂こちらの記事内に作り方が記されているので、引用してみたいと思います。
・一晩浸水した大豆を柔らかくなるまで煮る
https://amanoshokudo.jp/regular/o_hiraku/15396/
・煮大豆をコタツや熾火(おきび)などを使って40℃強に保温し、納豆にする
・できた納豆に少量の塩(5%以下)と麹を混ぜ室温で発酵
・1週間ほど発酵させ、麹やコメがドロドロに溶けたところで食べる
ね!これだけと言ってしまえばこれだけなんですよね。比較的に難易度は低そう。
塩分濃度をどうするか?
作り方はわかったものの、それぞれの分量が謎のまま。ヒントは少量の塩(5%以下)。
この5%を何に対してで考えるか?で塩分濃度が変わってきてしまう。ただ、「ごど」の醍醐味は塩分が控えめなことによって促される乳酸発酵だと思うのです。そう考えると、可能な限りは塩分控えめでいってみようと考えた。
よって、塩の分量は納豆の分量に対して5%以下に止める。
麹の分量をどうするか?
次に考えたいのは麹の分量。正直、ざっくりでいいのかなぁって気もしている。きっと、多くなれば甘みが増す。減らせば、納豆感が強くなる?そんな感じ。
今回は塩きり麹と納豆を混ぜるイメージで考えて、さっきの納豆に対して5%で出した塩の分量が塩きり麹において30%の塩分になるように麹の分量を出しました。
うん、もうこれは僕が勝手に納得したいのとデータを残しておきたいだけのことなんだけど、今回はそうやって考えて割り出した分量で作っていくことにしました。
最終的なレシピ
で、ごちゃごちゃと書いてきたけれど最終的に僕が仕込んだ分量は以下の通り。
- 納豆・・・240g
- 塩・・・・12g
- 麹・・・・28g
こんな感じです。
納豆がアンモニア臭いけど、仕込み…
こうしてレシピを割り出したならば、あとは作っていくだけ。納豆も市販のものよりも、自分で作ったほうが柔らかくなりすぎずに作れるので良さそう。
僕は余っていた稲わらを使って納豆作りをしたのですが…
24時間経過して、ヌルヌルネバネバにはなってきたけどアンモニアが強いなぁ… https://t.co/XBq4PzXVWM
— 高下陽平|Youhei Takashita (@campanella225) July 21, 2019
とこんな事に…(笑)ネバネバも弱いし、何よりもアンモニア臭がけっこうキツかった。食べられるけど、「ツーン…」って鼻を刺す刺激臭。
とは言え、「ごど」発祥の由来はこう言うところにある(上に貼ったヒラクさんの記事を参照してください)。納豆のなり損ねをどうにかして食べようと言う勿体ないスピリットが「ごど」を生んだんですよ。
ならば、このアンモニア臭はむしろ歓迎すべきものなのかもしれない。うん、きっとそうだったのだ。
納豆、塩、麹を混ぜて仕込みは完了!保管は常温で。
とりあえず、ごど。どうなってくんだろうか…(笑)ひとまず、失敗気味の納豆と糀と塩。納豆の分量に対して5%の塩を入れてる。麹の量は、その塩が麹に対して30%になるくらいの麹。大丈夫かな、この感覚で(笑)さぁ、どうなるんだろ。 #発酵tribe #ごど pic.twitter.com/tG2Pvx1jja
— 高下陽平|Youhei Takashita (@campanella225) July 23, 2019
日々、ごど観測を続ける。
仕込み容器はジップロックを使っています。ヒカリエでのワークショプの様子をTwitterで検索して拝借しました。
仕込んで2日目までは袋を開けてみると、相変わらずのアンモニア臭。変化が出てきたのは3日目くらい。
すごく混沌とした味と匂い。アンモニア臭が一気に薄れて、どちらかと言えば味噌っぽい匂いが出てきていたんだよね。食べてみた感想はツイートの通り。3日目にして急激な変化を見せはじめた。
酸っぱいのが苦手な人だったら、このくらいが美味しいポイントって人もいるかもしれないなってくらいに美味しい。でも、それなら味噌の方がいいかなって気もするし。そんな味。
1週間後…
ほぼ完成。完全に酸っぱい(笑)一口目がけっこう衝撃的で…この酸っぱさって大丈夫なんか?とたじろぐ。
何度か口に運んでいると酸っぱさに慣れる。すると、遠くから納豆と旨味も顔を出してくる。うん、いいかも。東海地方では出会うことのない風味。紛れもなく異国の味って雰囲気。
とまぁ、まだ発酵は続けているのだけど、ひとまずの完成はこの辺りなのかなと感じています。
ごど作りのまとめ
難易度としては仕込んでしまえば、難しいポイントはほぼ無い。ゆえにとっても挑戦しやすいし、失敗も少なそう。
少なそうとは言え、どんな発酵食品もだけど自分の五感をフル動員して食べられるのか食べられないのかは判断してほしいなと。
試食するとき、すごくピリピリする緊張感があった(笑)慣れ親しんでいないから当然でもあるし、食っても大丈夫かな…と言う一抹の不安が過ぎる匂いとかもある。その緊張感が楽しさの1つでもあるけど。ジップロックを通過して匂いが漏れ出してくるからね。
あとはバリエーションも出来そうだなって感じた。麹をもっと増やしてみるとも良さそう。記事にあった、納豆にする前に大豆を少し炒っておくのもすごく良い気がしてる。
ただ、十和田でのレシピがどうなってるのかは気になる…!
あと、ごどを使った料理としてTwitterにあったのがコチラ。
この使い方も面白いだろうな。酸っぱさが、思いの外強くてペースト状にしたらマヨネーズっぽくなるんじゃないかと僕は感じていたりもする。ごどと塩昆布を混ぜて、旨味をちょっと足してみたり…(これ、僕が東海地方人だからかも)。
ま、総じて美味い!ってコトなんだよね。ぜひぜひ、みんなも作ってみてください。
わかりにくいとか、気になる事があれば気軽にメールやTwitterで話しかけてくれればと思います。ではでは。
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