徐々に微生物と仲良くなってきた、よーへいです(@campanella225)。
今回は「蒸す」と「炊く」の違いについて説明したいと思います。
なぜ、そんな説明をするのか?というと糀づくりではお米を蒸すんですよね。あと、炊いたお米では作りにくい。非常に作りにくいです(笑)
「蒸す」と「炊く」の根本的な違いと、糀づくりでは「蒸す」コトが好まれる理由を書いていきたいと思います。
そもそも蒸すって?
実は僕、糀づくりをするまで「蒸す」という調理をしたことがありませんでした。実家にあったステンレス製の蒸し器を見てはいたのでイメージはあったんですけど、具体的な使い方も知らなかったんですよね。
単純に食材を蒸気に当てるだけと思ってました(まぁ正解ではあるんだけど…)。
お米や豆は「浸水」が必要
ここ重要なんですけど、「蒸す」には素材の中に水分が必要なんです。
野菜やシュウマイとかお肉ははそのまま蒸し器にかけたり、セイロを使って調理が可能です。ですが、お米や乾燥した大豆など水分が少ない穀物類は蒸す前に水につけておく「浸水」が必要になります。
浸水というのは水に浸しておくコト。
水につけておく時間も季節によって変化があるのですが、大雑把にいうと半日から1日。寒い時期ほど浸水にかかる時間は長くなります。
浸水したら、今度は脱水(水切り)
水分を吸収したお米は白くなります。本当に真っ白。これは水が米の中に入るコトで光を乱反射するからですね。
糀づくりではここから水切りという作業に入ります。ザルに移しかえて2時間ほど。表面に余分な水分が残らないようにします。
内部にはたっぷりと水分を与えて、表面にはなるべく余分な水を残さない。ここまで出来たらやっと蒸していきます。
蒸すのって炊くに比べて前準備に時間がかかるんですよ。
「蒸す」は内部の水分に熱を伝える
しっかりと水を含んだお米を蒸していくのですが、ここが「炊く」との1番の違い。手法が違うので違って当然なのですが、蒸すはお米に含ませた水分が熱せられて火が通るんです。
イメージとしてはこんな感じ(伝わるかな…)。
蒸気が米を温めるのですが、米の表面で熱のバトンタッチがおこる。蒸気が運んできた熱をお米内部の水分に伝える。そのことでお米が温められていくんですね。
なので、内部にしっかりと火が通っていきます。逆に周囲の外側には蒸気が当たるだけで「炊く」に比べて少量の水分しか存在しないことになります。
逆に「炊く」は「煮る」と同じ状態です。水と材料を鍋に入れて一緒に煮る。比べ物にならないくらい米の表面に当たる水が多いわけ。だからこそ、炊くと軟らかいご飯になるんですけどね。
「蒸す」はサウナ、「炊く」はお風呂
ということでめっちゃザックリとした表現にするならば、こういうことです。
実際に蒸しあがったり、炊きあがってしまったら問題がありますが…仕組みとしてはこういうことですね。
蒸したお米は炊いた時と比べて硬いです。中はしっかりと火が通っていて軟らかいのですが、外側はしっかりとした硬さを持っています。
これを日本酒用語で「外硬内軟(がいこうないなん)」と言います。読んで字のごとく、外側は硬くて内側は軟らかい。そのまんまの意味です。
糀づくりに最適なお米の状態がこの外硬内軟。そのために炊くのではなくって、蒸すわけです。炊いた時のようにベタついてしまうとつくっていく作業的にも、実際にコウジカビが繁殖する上でも支障があるんですよね。
まとめ
蒸すと炊くの違い。ちょこっとのことを長々と書いてきましたが、感じていただけたでしょうか?
糀づくりにおいて米を「蒸す」のは外硬内軟に米を仕上げるためということなんですが、外硬内軟が及ぼす影響についてはまた次の機会に詳しく書きたいと思います。
ではでは。
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