八月も下旬になり、ぼくの畑のキュウリはシーズンを終えようとしています。今さらだけど、種まき時期をズラしてもう少し苗を用意しておけば、もう少しの間キュウリを楽しめたよなぁって。そんなことを考えている今日この頃。
さて、シーズンを過ぎるということは種とりの時期でもあります。特に固定種、伝統野菜を栽培していると種とりは大切な作業です。次年度に種屋さんから買うことも可能ですけど、なるべく自家採種したいところ。
では、キュウリはどうやって採種していくのか?もちろん、白菜とか大根とか…植えっぱなしにして花を咲かせ種子を採る野菜もありますが、キュウリは食べている部分に種子が詰まっていますよね。
じゃあ、どうするのか?
なら、食べるときに種を採っておけばいいのか?というとそうコトでもなくて…。今回はそんなキュウリの種とり方法とコツを説明していきたいと思います。
成熟した実を用意する
種とりの基本として大切なのが、成熟した実を用意する必要があります。せっかく立派に実ったなら食べてしまいたい気持ちもあるのですが、より良い種を残すためにも1つ2つは種とり用に収穫せずに残しておきましょう。
黄色いキュウリを育てる
キュウリが成熟した姿ってどうなるか知っていますか?ヘチマの方に大きくなってしまった姿は見たことがあると思います。欲しいのはさらにその後の状態。
こんな感じになるんですよね。
キュウリって熟すと黄色くなっていくんですよ。実は黄色くなるのは痛んでいるわけではないんです。以前、ぼく自身がそう勘違いしていました(笑)成熟していくとキュウリは黄色くなっていく。
少し話はそれますが、こうして熟していくと黄色くなる。要するに黄色くなる瓜ってことで黄瓜。きうり。キュウリになったとか。
種をかき出し、発酵させる
まずは用意したキュウリを2つに切ります。
ここから種を1粒1粒とっていくという方法もあるのですが…かなり骨が折れます。種のまわりにあるゼリー質がキレイに取れないんですよね。
ということで、まずはスプーンを使ってかき出します。
タネを容器に入れて発酵させる
かき出した種とゼリー質は袋などの容器に入れます。
このまま1〜3日間、常温で発酵させます。実際には腐敗といってもいいのかもしれないですけど、ぼくにとっては有効なことなので発酵といっておきます。
発酵させることで種の周囲に付いているゼリー質が溶けてしまいます。そのために必要な時間が1〜3日。気温によって幅があります。
[aside type=”warning”] 臭いに注意!
発酵と言っていますが、腐敗とも言える状況で多少の臭いが出ます。少し酸っぱい系の臭いです。なので、気になる方はご注意を。 [/aside]
発酵が完了したら、洗って乾燥。
毎日、様子を見ながら発酵の進み具合をチェックしてみてください。発酵完了の目安は色の変化と手触りです。
最初は緑かかっていて、まだ新鮮そうな色をしていた液体がこんな風に色が変わります。
ね、少し傷んだよね…って色に変色します。さらに袋を揉んでみると当初の手触りよりも水っぽくなったのが感じられます。ゼリー質が溶けてサラサラになってきていれば発酵は完了。
今回はかき出してから36時間後に発酵完了としました。次はザルなどにあげて水洗いします。
この時、「わぁ、本当に溶けてる!」ってちょっとした感動。本当にあっという間にキレイに流せます。
キレイになったら、キッチンペーパーや布巾の上に出して水気をとっていきます。ひとまず、ここまでで採種はほぼ完了。あとは乾燥させていきます。
乾燥はお皿などの上がベスト!
水気をとったら、お皿やトレイなど湿らない材質のものの上に移動して乾燥させます。このまま、キッチンペーパーや布巾の上に置いておくとカビが生えてくることが多いです。
実際にぼくのタネにも生えてきてしまったことがあります。そうなった時はもう一度、水洗いしてカビを洗い流してください。そうすれば問題はないので、仮に少しカビが生えたからって諦める必要はありません。
乾燥期間は様々なことを言われますが、ぼくは1週間前後で十分だと思います。乾燥できたら、茶筒などに入れて保存します。
種を継いでいく
固定種の種を継いでいくことで、その土地や気候に適した野菜になっていくと言われています。その年の育ちの良かったもの、大きく育ったものから種を採るワケですから、徐々にアップグレードされていくことになります。
もちろん、うまくいかない年も出てくるでしょうから、一概には言えないのかもしれないけど、可能な限り自家採種を繰り返して作物を育てていきたいと思いますね。
今は簡単に種を手に入れられる状況に生きていますが、そうはいかない時代がやってくるかもしれません。またはタネが入手出来なくなる品種が出てくるかもしれない。そんな「かも知れない…」の可能性が少し上がってきている昨今、今以上に種を蒔き、育て、収穫し、そして種をとる。
そこまでやって、自分や周囲の人が食べるものを作っていきたい。そのサイクルの中にいたいな…と書いていたら改めて強く感じた。
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